Monthly Health Report (2015.12)

今月のことば

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種で、摂り過ぎると心筋梗塞や虚血性心疾患を招く怖れがあります。

米国の調査では、食事で摂取したエネルギー量に占めるトランス脂肪酸の割合が2.8%に達すると、心筋梗塞のリスクがより高まるといいます。冠動脈疾患や虚血性心疾患などのリスクも高まるとされています。

トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、それらを使うスナック菓子や菓子パン、ピザ、ケーキといった食品に多く含まれています。農林水産省が行った調査では、100gの食品に含まれるトランス脂肪酸は、ハヤシライスのルウが0.51~4.6g、クロワッサンが0.29~3.0g、ピザが100g当たりに換算すると平均で0.357g、ハンバーガーが同じく0.319g含まれていました。

日本人全体の摂取量は、米国やその他の国に比べるとそれほど多くはなく、2005~2007年度に食品安全委員会と農水省がそれぞれ算出した推計では、1日あたりの平均摂取量は0.7~0.962g。総エネルギー摂取量に占める比率は0.3~0.47%でした。世界保健機関(WHO)が勧告する数値は1%未満で、米国1.9~2.0%、英国1.0%と比較しても低い水準であることが分かります。

ただし、偏食になりやすい人は注意が必要です。フライドポテトや菓子パンなどを頻繁に食べている人は、1日分の食事でおよそ3gのトランス脂肪酸を摂取していることが、女子栄養大学の調査で分かっています。

トランス脂肪酸に関する規制は各国で始まっており、日本でも消費者庁が食品メーカーに含有量の表示を勧めています。各メーカーでも含有量を減らす動きがありますが、まずは個人できちんと管理することが大切です。