Monthly Health Report (2021.05)

ゆるやかメンタルヘルス術

先延ばしグセを卒業できる!
無理なく「やる気」を出すコツ

やるべきことがあるのになんとなくやる気が出ないとき、というのは誰にでも訪れます。必要なときに無理なくやる気を呼び起こすためには、どんな工夫をしたら良いのでしょうか? 気持ちの負担を軽くする「やる気のメカニズム」を知っておきましょう。

「やる気が出ない」と悩む人が、いま急増中

仕事でもプライベートでも、やらなければいけない用事ほどなぜか後回しにしたくなることがありますよね。人は何かを始める際、無意識に「やるからには完璧にしなくては」とプレッシャーを感じてしまうことがあります。大切な用件であればあるほど、また真面目な人ほど大きなプレッシャーを抱きやすく、手つかずの作業を必要以上に苦痛に感じてしまうのです。

とくにコロナ禍でテレワークを始めるなど環境に変化があった人は、それまで普通にこなしていた仕事も急に億劫に感じたり、どうしても作業に集中できず悩んだりするケースが増えています。こうしたときに「自分はなんて怠け者なんだ、駄目なヤツだ」と思い詰める必要はありません。プレッシャーがかかった状態で最初の一歩を踏み出しづらく感じるのはごく自然なことですし、「やらなくちゃ」と無理やり自分を急き立てることがストレスになり、かえって心身の不調を引き起こす恐れもあります。

やる気をコントロールする近道は……

もし必要なときにパッとやる気を出すことができたら、仕事がスムーズに運ぶのはもちろん、心も軽くなりますよね。じつは、やる気を出すための一番確実な方法は「とにかく始めてしまうこと」です。

人間の脳は、今手を付けていない作業に対しては基本的に「面倒くさい」と感じるようにできています。しかし作業を始めて5分ほど経てば、ムクムクとやる気が湧いてくる仕組みになっているのです。このメカニズムは「作業興奮」と呼ばれています。あなたにも「やる前は面倒で仕方なかったことが、実際に始めてみたら意外と楽しかった」という経験はありませんか? その感覚こそが作業興奮です。

半ばイヤイヤであっても、始めてしまえば楽しくなる。そんな可能性が高いと分かっていれば、行動へのハードルが下がるのではないでしょうか。「やる気があろうとなかろうと、とにかくちょっとだけ手を付けてみる」と決めておくことが、やる気を出すための一番の近道なのです。

最初の一歩を踏み出すコツ

そうは言ってもやっぱり最初の一歩がいちばん難しい、と感じるかもしれません。そんなときに試してほしいのが「作業を小さく切り分ける」という方法です。

たとえば「健康のために毎朝ウォーキングする」という目標は、初心者にとってややハードルが高いものです。そこでまず、作業を小さく分割して考えてみます。朝起きて歩くという行為は、「ジャージに着替える」「玄関に行って靴を履く」「外に出る」「歩き出す」……といった一連の作業から成り立っています。毎朝何キロも歩くのは大変でも「明日の朝起きたらジャージに着替える」という1つ目のステップだけに注目してみれば、実行できそうに思えてきませんか?

最初の一歩を踏み出すコツは2つ。作業を細かく切り分けて「これなら自分にもできる」と思えるところまでハードルを下げること。そして、小さく分けた作業のうち目の前の1つだけに集中することです。ジャージに着替えれば「せっかくだから外に出ようか」という気分になり、外に出て歩き始めれば「あと5分歩いてみようか」とやる気が湧いてきます。

この方法はもちろん仕事にも応用できますので、なかなかやる気が出ないときには2つのコツを意識してみてくださいね。

やる気を出す小さな工夫

他にも、次のような工夫がおすすめです。

■環境を整える
机の上を片付けて余計なものが目に入らないようにするなど、目の前の作業だけに集中できるよう環境を整えてみましょう。
■場所を変える
テレワークで集中できないときは、自宅だけでなく図書館やカフェを利用してみましょう。
■メリハリをつける
人間の集中力が持続する時間には個人差があり、長い人でも45~90分程度が限界と言われています。集中力が途切れればやる気も消失してしまうため、30~60分に1回は休憩をとって席を離れ、気持ちにメリハリをつけましょう。
■血行を良くする
脳の血行が良くなるとやる気も集中力もUPします。休憩時にはストレッチや足踏みなどをして血行を促しましょう。
■音や香りを利用する
特定の香りやBGMを「仕事を始める際のルーティーン」として定めるのもおすすめです。やる気が湧かない朝も、いつもの音楽・いつもの香りの力を借りれば自然と気持ちを高揚させることができます。