Monthly Health Report (2023.04)

今知りたい 季節の健康コラム

春バテ

体調を崩しやすい季節の変わり目。3~5月にかけての時期は、多くの人が心身に不調をきたしやすくなります。「なんとなく身体がだるい」「日中眠くてたまらない」「イライラそわそわしてしまい、仕事や勉強に集中できない」……生活にも影響を及ぼすこれらの不調は、夏バテならぬ「春バテ」と呼ばれています。

春バテの症状としては、倦怠感や疲労感、頭痛、肩こり、むくみ、不眠、アレルギー症状の悪化といった身体的なものに加え、気分の落ち込み、イライラ感、やる気や集中力の低下など、精神的なものも多く見られます。これらの症状を引き起こす原因となるのは、春に特有の「気象条件」と、年度替わりに多い「環境の変化」です。

春は1年で最も朝晩の寒暖差が大きくなる季節で、1日のうちに10℃以上の寒暖差が生じる日も珍しくありません。また気圧の変化も生じやすく、気温と気圧に対応するため身体に大きな負担がかかります。さらに引っ越しや転勤、異動といった新生活のスタートにより、自身にも周囲にも多くの変化が訪れるため、ストレスが重なり自律神経がバランスを崩しやすくなるのです。

春バテを予防・改善するためには、自律神経を整えることが大切です。いつも以上に規則正しい生活を意識し、栄養バランスのよい食事と充分な睡眠時間を確保しましょう。生活の中にメリハリがないと自律神経が乱れやすくなるため、朝~日中は活動的に身体を動かし、夜はゆったりとリラックスする時間を取る、といった工夫も大切です。また、身体が冷えると体力も気力も消耗しやすくなるため、パーカーやカーディガンなど脱ぎ着しやすい服や、ひざ掛けやショールを活用し、身体を冷やさないよう心がけましょう。自律神経の乱れは免疫機能にも影響を与えます。感染症対策のためにも、あまりストレスを溜めすぎないようこまめな休息・休養を心がけていきましょう。