気温や湿度が高まる季節になると、蚊の活動も活発になります。「かゆい」程度で済めばまだ良いのですが、ときには「デング熱」のような感染症を引き起こすケースがあります。
デング熱を媒介するのは、主にヒトスジシマカという蚊の仲間。活動時期は5月中旬から10月下旬ごろまでで、とくに梅雨から夏にかけて繁殖しやすく、水たまりなどでも繁殖します。感染リスクは海外に多いものの、国内での感染例も報告されています。2014年には東京都内で160人以上のデング熱感染が確認され、夏から秋にかけて注意が呼びかけられるようになりました。
デング熱に感染すると、突然の38℃以上の高熱、激しい頭痛や目の奥の痛み、筋肉痛や関節痛、発疹、吐き気・嘔吐、全身の倦怠感、リンパ節の腫れなどが現れます。これらの症状は風邪やインフルエンザに似ており、検査なしでは見分けにくいケースが多いです。また、感染者の多くは1週間ほどで回復しますが、まれに出血やショック症状を引き起こす重症型に進行するケースもあり、慎重な対応が求められます。
現状、デング熱の特効薬はなく、対症療法が基本です。ここで気をつけたいのが解熱剤の選び方で、アスピリンやイブプロフェンなど一部の鎮痛解熱剤は症状を助長する可能性があるため、避けたほうが安全です。症状が確認された場合は、できるだけ早めに医師の診断を受け、指示に従って服薬するようにしましょう。
予防で最も大切なのは「蚊に刺されないこと」です。キャンプなどの際は長袖・長ズボンを着用し、日常的な虫よけスプレーの活用や、蚊の発生源となる水たまりをなくすなどの環境整備を意識しましょう。とくにベランダや庭の植木鉢の受け皿など、雨水がたまりやすい場所には注意が必要です。また、海外渡航前には流行情報を確認し、帰国後に発熱が続くようであれば、早急に医療機関を受診してください。
出典/明治安田生命保険相互会社