Monthly Health Report (2023.08)

暮らしの栄養素メモ

リコピン

リコピンは、トマトなどの野菜や果物に含まれる色素成分カロテノイドの一種です。強い抗酸化作用を持ち、美肌づくりや老化予防、血流改善に役立ちます。

リコピンの働きと特徴

カロテノイドとは、自然界に広く存在する黄色や赤色、紫色の素となる色素成分です。このカロテノイドの特徴として抗酸化作用があげられますが、その中でもリコピンは非常に強い抗酸化力を持つことで知られています。

人間の身体は常に酸素を必要としており、体内に取り込まれた酸素の一部はより活発に働く「活性酸素」に変化します。この活性酸素は免疫機能などを正常に保つために不可欠なものですが、増えすぎると細胞の酸化(老化)を促進させる要因となってしまいます。

リコピンの持つ抗酸化作用は、この活性酸素による悪影響を抑えて身体機能を健やかに保つことに役立ちます。リコピンに期待される主な効果は、シミをはじめとする肌トラブルの予防・改善や、血管の老化予防、血中の悪玉コレステロール減少による血流改善など。またこれらの作用により生活習慣病(動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など)の予防や、代謝アップによる脂肪燃焼促進、糖尿病予防などにも効果が期待できます。

リコピンの摂取目安量

厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、リコピンの摂取目安量はとくに定められていません。一般的には、1日15~20mgの摂取が望ましいといわれており、これは大きめのトマト2個分もしくはトマトジュース150~200ml程度とされています。

リコピンを多く含む食品

リコピンを豊富に含む食品として代表的なのは、トマトです。とくに赤く熟したトマトに多く含まれています。また、スイカや柿、あんず、ピンクグレープフルーツ、マンゴー、金時人参といった野菜・果物にも多く含まれています。リコピンは加熱に強く、油と一緒に摂取することで吸収率がアップします。