Monthly Health Report (2023.06)

あの日あのとき… なつかしの流行語

アウトオブ眼中

「アウトオブ眼中」とは「眼中にないこと」を表す造語で、昭和後期~平成初期にかけて流行しました。英語のout of(~の外へ)+日本語の眼中、を合体させ、「興味ない、論外、問題外!」といったネガティブな感情をやや柔らかく、またコミカルに伝えられる便利な表現です。

とくに恋愛方面では「あの子にとって、俺ってアウトオブ眼中なのかな?」「いや、彼女は仕事に夢中だから、恋愛そのものがアウトオブ眼中なんじゃないの」というように、ごくライトに使われていました。言葉として生まれた時期は定かではないものの、1980年代後半には学生を中心に広がり始めており、1990年代には人気漫画『頭文字D』作中のセリフとして登場したのをきっかけに更なるブレイクを見せました。

あらためて考えてみると、アウトオブ眼中、つまり「興味がない」という意思の表明は、自分の価値観を大切に守る姿勢ともいえます。このフレーズは案外、令和を生きる私たちにこそ使い勝手がよい言葉……なのかも?