Monthly Health Report (2023.07)

あの日あのとき… なつかしの流行語

マブい

髪型は剃り込み、リーゼント。学生服はだぶだぶのボンタンに極度の短ランか長ラン。……そんな昭和のツッパリヤンキーたちが口にしていた「いい女」の形容詞、それが「マブい」です。意味としては、美人、べっぴん、おシャン等と同様ですが、「マブい」には独特の空気感がありますね。

「マブい」は辞書にも載っている、れっきとした日本語の一つ。意味は「美しい、かっこいい」というもので、1970~80年代にかけて一部学生を中心とした若者の間で流行しました。というと昭和生まれの流行語であると思われるかもしれませんが、じつは「マブい」という言葉は江戸時代には存在していた歴史ある日本語です。もともとは盗賊の間で使われていたとされ、当時の洒落本(現代で言うエンタメ小説)にも登場しています。

ちなみに「マブい」は「本物の、本当の」を表す「まぶ」が変化した言葉で、これは「マブダチ」のマブと同一の語源です。ただし、沖縄の方言で魂を意味する「マブイ」とは全く別の言葉ですので、そこは混同しないようご注意を。