Monthly Health Report (2023.08)

今知りたい 季節の健康コラム

光かぶれと湿布薬

肩や腕、足などに湿布を貼った数日後、その部分が赤くかぶれてしまった経験はありませんか? それは、湿布薬の成分が日光に反応して生じる「光線過敏症」の状態かもしれません。

光線過敏症とは、紫外線などの光に身体が過剰反応して皮膚の炎症が引き起こされる症状のこと。一般に「光かぶれ」等とも呼ばれます。遺伝子や代謝疾患が要因となる内因性のものと、塗り薬や内服薬、湿布薬等の成分が化学変化して起きる外因性のものがあり、外因性の光線過敏症は誰にでも起こり得るため注意が必要です。

症状としては、赤み、かゆみ、ブツブツや水疱といった湿疹が、ちょうど湿布を貼った部分をかたどるように現れます。厄介なのは湿布を貼っている最中だけでなく、剥がした後にも発症の可能性が残ることで、湿布を貼ったことそのものを忘れた頃に突如湿疹が現れて驚くケースも少なくないのです。

もちろん、湿布薬そのものは有益であり、決して悪いものではありません。問題は、湿布薬の成分が太陽の光を浴びることで化学変化して、身体にとって有害な成分(あるいはアレルギー反応を引き起こす成分)に変わってしまうこと。つまり湿布薬による光線過敏症を防ぐには、湿布を貼った箇所を一定期間しっかりと遮光し、薬剤が化学変化しないように保護することが大切です。

具体的には、湿布を貼っている最中、および剥がしてから4週間ほどの間は、長袖・長ズボン、サポーターなどを活用して該当箇所を覆い、日光が当たらないよう工夫しましょう。また、光線過敏症を引き起こしやすい成分(ケトプロフェンなど)を含む湿布薬には、予防のための注意書きが記されています。使用する前に注意書きに必ず目を通す習慣をつけ、不安なことがある際には医師や薬剤師に相談しましょう。