Monthly Health Report (2023.10)

あの日あのとき… なつかしの流行語

合点承知の助

同意することを意味する「合点」と依頼や要求を聞き入れることを意味する「承知」を組み合わせ、さらに人名を彷彿とさせる「の助」を語尾に加えた、「合点承知の助(がってんしょうちのすけ)」。多くの昭和生まれにとって懐かしいフレーズですが、平成以降に生まれた人には聞き慣れない言葉かもしれません。

「合点承知の助」は思いのほか古くからある言葉で、江戸時代には使われていたとされています。落語の演目や時代劇で耳にしたことがある、という人もいるでしょう。一般的には、目上の人からの頼みや注文に応じる際に使う言葉で、「合点承知の助!」と元気に言うと会話に軽やかなキレが生まれますね。「恐れ入谷の鬼子母神」のように本来の言葉をもじったり、また箸にも棒にもかからないことを「煮すぎたうどん」と表現したり……こうした言葉遊びは「無駄口」や「洒落言葉」と呼ばれ、古くから楽しまれてきました。時代を問わず、言葉遊びが大好きな日本人。日常のふとした会話にも、小さな笑いを忍ばせていたことが伺えます。