仕事、家事、育児、etc……と、何かと忙しい現代。あなたは、何もしない時間を確保できていますか? 頭を空っぽにしてぼんやりする時間は、集中力や創造性を維持するために不可欠です。今回は「積極的ぼんやり」の効果やメリットと、上手に実践するコツを解説します。
何もせず、頭を空っぽにしてぼんやりと過ごす時間。大人になるとなかなか取れないものですよね。でも「ぼんやり」が脳や心に与える影響(メリット)を考えると、じつは社会人にこそ「ぼんやりタイム」が必要といえそうです。
何も考えずにぼんやりしているとき、脳はDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と呼ばれるアイドリング状態にあります。自動車で例えると、いつでもすぐ動き出せるようにエンジンをかけて待機している状態です。機能を停止しているように見えても、実際はそうではありません。それどころか、DMN状態下の脳は普段より多くのエネルギーを消費しているといわれています。
私たちがぼんやりしているとき、脳は静かに、しかし高速で情報を処理しています。インプットされた記憶や経験を整理・分析し、知識やアイデアに変えているのです。こうして生まれたアイデアは、仕事や趣味に役立ちます。仕事ができるビジネスマンは休憩を大切にするケースが多いものですが、彼らは仕事の手を止めてぼんやりする時間の重要性を知っているのかもしれません。
生活の中でこまめに「ぼんやりタイム」を確保すると、頭の中が自然と整理され、気持ちのリフレッシュや情緒の安定にも繋がります。しかし現代は、意識しないとなかなかぼんやりできない時代かもしれません。
というのも、現代社会では脳にインプットされる情報があまりにも多く、情報へのアクセスも驚くほど手軽にできるためです。たとえば、電車で移動する10分間や飲食店で食事が来るのを待つ5分間、あなたは何をしていますか? 「ぼんやりしている」という人は少数派で、多くの人は手元のスマホで何らかの情報を閲覧しているのではないでしょうか。情報にパッとアクセスできることは、とても便利で素晴らしいこと。ですが大量の情報が休みなく流れ込んでくると、脳も心も疲弊してしまいます。集中力や思考力を高めてよいアイデアを生み出すためには、何もしない「ぼんやりタイム」を意識して確保していきましょう。
慣れていない人にとって、「頭を空っぽにする」というのは意外と難しいものです。生活に「ぼんやりタイム」を取り入れてみようとしたものの、つい考え事をしてしまったり、スマホを触ってしまったり……「なぜかうまくいかない」と感じる人も多いでしょう。そんなときは、自然とぼんやりモードになれる次の方法を試してみてください。
ビジネスの世界では昔から、アイデアが生まれやすい場所として次の「4つのB」があげられます。
上記の4つに共通するのは、リラックスできる場所であること。忙しさから逃れ、ほっと一息ついて頭が空っぽになる瞬間(つまり「ぼんやりモード」に入る瞬間)こそ、ひらめき力が高まるチャンスです。仕事や趣味でよいアイデアを出したいときは、これら「4つのB」もぜひ意識してみてくださいね。
出典/明治安田生命保険相互会社