Monthly Health Report (2024.01)

暮らしの栄養素メモ

ビタミンA

ビタミンAは、皮膚や粘膜、目の健康を守るために不可欠な脂溶性ビタミンです。抵抗力向上にも寄与しており、「抗感染症ビタミン」とも呼ばれています。

ビタミンAの働きと特徴

ビタミンAは、主に動物性食品に含まれるレチノール、レチナール、レチノイン酸の3種のビタミンの総称です。主な役割は目や粘膜の健康維持で、目の網膜に存在するロドプシンという物質はビタミンAが主成分であり、喉や鼻をはじめとする粘膜の生成にもビタミンAが使われます。粘膜は感染症を予防する防波堤の役割を果たすため、免疫機能の維持にはビタミンAが必須といえるでしょう。

欠乏すると夜盲症や皮膚の病気が生じやすくなりますが、通常の食生活であれば不足の心配はありません。反対にサプリなどで過剰摂取された場合、脳圧の亢進や肝機能障害といった健康被害を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。

ビタミンAは動物性食品に多く含まれますが、植物性食品に豊富なβカロテンは「プロビタミンA」と呼ばれ、体内で必要に応じてビタミンAに変化する性質を持っています。プロビタミンAがビタミンAに変化する量は体内で厳密に調節されているため、βカロテンをたくさん摂っても過剰に変換される恐れはありません。

ビタミンAの摂取目安量

厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、ビタミンAの食事摂取推奨量は、18歳以上の男性850~900(75歳以上は800)μgRAE、女性650~700(妊娠後期は+80、授乳婦は+450)μgRAEです。また耐容上限量は男女ともに2700μgRAEとされています。

ビタミンAを多く含む食品

ビタミンAが豊富な食品は、レバー(豚・鶏・牛)、うなぎ、銀鱈、バター、卵、チーズ、ヨーグルトなど。またプロビタミンAは、人参、ほうれん草、トマト、ピーマン、モロヘイヤ等の緑黄色野菜に多く含まれています。