Monthly Health Report (2024.02)

暮らしの栄養素メモ

カルシウム

カルシウムは、人体に不可欠なミネラルの一種です。骨や歯を形成する主要な成分であるほか、ホルモンの分泌や脳から身体への指令の伝達に関与しています。

カルシウムの働きと特徴

カルシウムは、人体に含まれるミネラルのうち最も多い栄養素で、体重の1~2%を占めます(例えば、体重50kgの成人では約1kg)。そのうちの99%は骨や歯のエナメル質に含まれており、残りの1%が血液や筋肉、神経細胞の中に存在しています。

カルシウムは骨格を形成する主要な成分であると同時に、脳から身体に指令を伝える神経伝達の活動にも深く関与しています。また、出血時の血液の凝固、細胞の分裂・増殖、唾液や胃液の分泌、ホルモンの分泌、心筋をはじめとする筋肉の収縮、神経や筋肉の興奮抑制など、さまざまな役割を果たしている物質です。

栄養バランスの乱れなどにより血中のカルシウム濃度が低下すると、上記のような身体活動を維持するため、骨に蓄積されたカルシウムが血中に溶け出します。このため、カルシウム不足の状態が続くと、骨の中がスカスカになって機能が弱まる「骨粗しょう症」を招きます。特に、50歳以上の男性や閉経後の女性はこのリスクが高まるため、カルシウム不足に注意が必要です。

カルシウムの摂取目安量

厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、カルシウムの摂取推奨量は、18歳以上の男性で700~800mg/日、女性で600~650mg/日です。また、耐容上限量は男女ともに2500mg/日とされています。通常の食事であれば過剰摂取の心配はなく、むしろ日本人は不足傾向にあるとされています。

カルシウムを多く含む食品

カルシウムを多く含む食品は、牛乳・乳製品(チーズ、ヨーグルト等)、魚介類(いわし、あじ、しらす等)、海藻類(ひじき、のり等)、大豆製品、野菜類(切り干し大根、モロヘイヤ等)など。冬が旬の小松菜や春菊にも豊富に含まれています。