平成初期を過ごした記憶のある大人なら、「プロデューサー巻き」という言葉に懐かしさを感じる方が多いでしょう。プロデューサー巻きはバブル期の日本で大流行したファッションですが、その背景には当時のテレビ文化も大きく関わっていました。バブル経済の華やかな時代、テレビ業界は老若男女の憧れの的でした。人気番組が続々登場し輝かしい視聴率を叩き出す中、業界のプロデューサーやディレクターたちが好んで取り入れたファッションが、シャツの上にカーディガンやセーターを羽織るのではなく、ただ肩にかけて袖を前で結ぶスタイルだったのです。この着こなしは若者を中心に話題を集め、彼らの肩書を取って「プロデューサー巻き」と呼ばれるようになりました。
バブルが弾け、時代が移り変わるとともに、プロデューサー巻きも少しずつ影を潜めていきました。しかし近年このプロデューサー巻きが、なんと女性の定番スタイルとして再び注目されています。過去の亡霊がこんな形で蘇るとは……。ファッションって奥が深いですね。