Monthly Health Report (2024.03)

暮らしの栄養素メモ

サポニン

サポニンは、大豆などマメ科の植物に多く含まれる物質で、独特の苦みとえぐみを持つ成分です。多くの健康促進作用のほか、界面活性作用も持っています。

サポニンの働きと特徴

サポニンは、マメ科植物や高麗人参など特定の植物に多く含まれる成分で、ナマコやヒトデなど棘皮動物の一部にも含まれることがあります。水に溶かして撹拌すると泡立つ性質を持ち、天然の界面活性剤として石鹸などの洗浄剤にも利用されています。

サポニンには強力な抗酸化作用があるため、私たちの健康にも大いに役立つとされています。抗酸化作用とは、体内から余分な活性酸素を除去して細胞の酸化(老化)を防ぐ作用です。大豆に含まれる大豆サポニンは、特に脂肪やコレステロールの酸化を防ぐ働きが強く、肥満予防やアンチエイジング、肝機能の維持・向上に役立つとされています。

また、免疫機能の向上にも期待ができます。サポニンは、体内に侵入したウイルスや細菌を排除するナチュラルキラー細胞を活性化し、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に寄与します。さらに、サポニンは血流を改善してむくみや冷え性を解消する効果も持っています。

サポニンの摂取目安量

厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、サポニンの摂取目安量については特に定められていません。一般的に、大豆や人参に含まれるサポニンは安全性が高いとされており、大豆サポニンであれば1日に100mgを目安に摂ることが推奨されています。ただし、生薬やサプリメントから摂取する場合、過剰摂取による健康リスクがあるため、用法・用量を守ることが大切です。

サポニンを多く含む食品

サポニンを多く含む食品は、大豆や黒豆などマメ科の植物、高麗人参や田七人参、ごぼう、緑茶、抹茶などです。日常の食生活では、高野豆腐、煮豆、おから、がんも、油揚げなどから適量摂取するのがオススメです。