Monthly Health Report (2024.04)

ゆるやかメンタルヘルス術

心も身体も解きほぐす
「筋弛緩法」でリフレッシュ

春は新たな出会いに心躍る季節ですが、それに伴う緊張感で心身の不調を感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、身体の緊張を一気に和らげ、心までリフレッシュできる「筋弛緩法」をご紹介します。やり方はとても簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。

リラックス効果大!筋弛緩法とは?

筋弛緩法とは、意識的に筋肉を緊張させてから一気に力を抜くことで、身体と心を効率的に解きほぐすリラックス法です。全身の筋肉を物理的にゆるめることにより、ストレスによる身体の硬直を解消し、副交感神経を優位にして自律神経のバランスを整えます。

私たちの身体には、知らないうちに余分な力がこもってしまいがちです。とくに、職場や学校で新たな出会いが増える春は、気がついたら首も肩もガチガチに固まっていることが多いのではないでしょうか。筋弛緩法を行うと、数分の簡単なエクササイズで、心と身体の両方から余分な力をスーッと抜くことが可能です。

筋弛緩法のメリットはたくさんあります。身体面では、肩こりや頭痛の緩和、血行促進、冷え性の改善、便秘や下痢の改善など。メンタル面では、ストレスの緩和、不安感やイライラ感の改善、集中力アップ、不眠の改善といった効果が期待できます。

筋弛緩法で心までゆるっとほぐれるワケ

筋弛緩法がメンタルにも良い影響を与えるのは、この手法によって自律神経のバランスが自然と整うためです。自律神経は呼吸や消化をはじめとする重要な身体機能をコントロールしている神経系で、緊張と興奮を司る「交感神経」とリラックスや休息を司る「副交感神経」とがシーソーのようにバランスを取り合って働いています。

現代を生きる私たちは、この2つの神経のうち交感神経が優位になりがちです。交感神経はもともと、危険に備えて警戒し、ピンチを回避するためのモードです。一時的な緊張は生きるうえで必要かもしれませんが、常に緊張している状態では、心までクタクタになってしまいます。

筋弛緩法は、無意識のうちにカチコチに固まってしまった身体の緊張をふっとゆるめ、リラックスできる副交感神経のスイッチを入れるための手法です。……と、文章では難しそうに見えますが、実際にやってみるととても簡単で、仕事の合間の気分転換にもおすすめです。

筋弛緩法はこんな人にオススメ

とっても簡単!筋弛緩法2つの実践法

筋弛緩法は、安心してリラックスできる場所であれば、いつでもどこでも実践できます。とくにおすすめのタイミングは、リフレッシュに効果的な「仕事の合間」と、安眠に効果的な「寝る前」の2パターンです。

■リフレッシュに効果的な「仕事の合間」の実践法
(1)椅子に座って手を下ろし、両手の指に徐々に力を込めながら拳を握ります。
(2)拳にぐっと思いきり力を入れて5秒置き、一気にふっと力を抜いて、脱力したまま10秒置きます。(1)~(2)を数回繰り返します。
(3)(1)と同様に拳を握り、そのまま肩をすくめて、肩~首に思いきりぐっと力を入れます。
(4)力を入れたまま5秒置き、一気にふっと全身の力を抜いて、脱力したまま10秒置きます。(3)~(4)を数回繰り返します。
■安眠に効果的な「寝る前」の実践法
(1)静かな寝室で、ベッドや布団に仰向けになり、深呼吸を数回行い心を落ち着けます。
(2)横たわったまま、両手の指に徐々に力を込めながら拳を握ります。
(3)拳にぐっと思いきり力を入れて5秒置き、一気にふっと力を抜いて、脱力したまま10秒置きます。(2)~(3)を数回繰り返します。
(4)全身をいくつかのパーツに分けて、同様の動作を行いましょう。(例:両手、両腕、肩甲骨、肩から首、顔、お腹、両もも、両足)
(5)各部位の筋肉で「緊張→弛緩」を順番に行い、最後に脱力したままゆったりと深呼吸しましょう。

実践する際のポイントと注意点

筋弛緩法でぎゅっと身体に力を入れるとき、関節を無理に曲げたり、痛みを感じるほど強く力を込めたりする必要はありません。あくまでも、自分の身体に負担がかからない範囲で実施しましょう。

筋弛緩法は、繰り返しているうちにだんだんと上手に脱力できるようになっていきます。ときには、今まで意識したことがなかった筋肉にも意外と力が入っていたと気づいて驚くかもしれません。こまめに継続することで長期的な効果に繋がりますので、日々の生活に取り入れてみてくださいね。