Monthly Health Report (2024.04)

暮らしの栄養素メモ

アスパラギン酸

アスパラギン酸は、エネルギー産生に大きく寄与するアミノ酸です。疲労回復やスタミナ向上、毒素の排出等に不可欠な成分で、栄養剤にも活用されています。

アスパラギン酸の働きと特徴

アスパラギン酸は、私たちの体内で重要な機能を果たすアミノ酸の1つです。その主な役割には、次のようなものがあります。

■エネルギー産生の促進
アスパラギン酸はクエン酸回路の一部として機能し、エネルギー産生を促進させます。疲労物質(乳酸)の除去と効率的なエネルギー生成をサポートし、日常における疲労回復やスタミナ向上に寄与します。
■利尿作用による毒素の排出促進
アスパラギン酸には利尿作用があります。体内の余分な水分や毒素(アンモニア)を効率的に体外へ排出し、肝臓の機能をサポートして、全身の健康維持に役立ちます。
■ミネラルの輸送と体液バランスの調整
アスパラギン酸は、カリウムやマグネシウムといった重要なミネラルを細胞内へ運ぶサポートをします。これらのミネラルは、神経伝達や筋肉の収縮など、身体の基本的な機能を正常に保つために不可欠です。アスパラギン酸はこうした重要な機能をサポートしつつ、体液のバランスを維持します。

アスパラギン酸の摂取目安量

厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、アスパラギン酸の摂取目安量についてはとくに定められていません。摂取後、比較的すぐにタンパク質の代謝のため消費されることから、日常生活において過剰摂取の心配はありません。体内でのアスパラギン酸生成量は加齢とともに減少していきます。年齢に応じて、食事からの積極的な摂取を心がけましょう。

アスパラギン酸を多く含む食品

アスパラギン酸を多く含む食材は、豆類(大豆、大豆製品、そらまめ、えんどう豆、グリーンピースなど)、肉類(牛・豚・鶏)、桜えび、タラ、落花生など。また、春に旬を迎えるアスパラガスやタケノコにも豊富に含まれています。