現代社会においてスマホは生活に欠かせないアイテムですが、使いすぎてしまうと「脳過労」と呼ばれる不調を引き起こすことがあります。やる気の低下やイライラ・モヤモヤは、スマホ脳過労のせいかも。今回は、スマホ脳過労のメカニズムと予防・改善策について解説します。
脳過労とは、脳が過剰な情報処理によって大きな負荷を受け、疲労による機能低下状態に陥ることです。現代ではとくにスマホの使いすぎが原因で起こりやすいとされ、自分でも気づかないうちに脳過労の状態に陥ってしまう人が増加しています。
脳は情報を処理し、判断を下し、記憶を保持するなど、私たちの日々の活動に不可欠な役割を果たしています。しかし脳も他の臓器と同様に、使いすぎれば消耗が生じ、機能が低下します。近年はスマホの普及により、脳に要求される情報処理の量が格段に増加しました。SNSやメール、ニュースアプリなどを通じて常に新しい情報に触れ続けていると、脳は休む間もなく情報を処理し続けることになり、蓄積した疲労から「脳過労」へとつながるのです。
脳過労のサインとしてよく見られるのは、集中力や判断力の低下、やる気の減退、記憶力の低下、イライラや不安感の増大などです。これらの症状は日常生活に大きな影響を及ぼし、仕事や学業のパフォーマンスを悪化させてしまいます。また、人間関係においても問題を引き起こす可能性が高まります。
最近「物忘れが多い」「単純なタスクにも集中できない」「なんとなく焦燥感があって落ち着かない」と感じている方は、もしかすると脳過労の傾向が強くなっているのかもしれません。脳過労が慢性化すれば、うつ病など深刻な健康問題を引き起こすリスクもあるため、注意したいところです。
さらに、身体的な影響も無視できません。脳過労の状態は自律神経に大きな負担をかけ、睡眠の質をも低下させることが知られています。睡眠は、脳にとって唯一の完全な休息時間と言っても過言ではありません。適切な休息が取れないことで、脳は回復する機会を失い、疲労がさらに蓄積していく悪循環を引き起こします。脳過労は人体にとって、単なる「疲れ」を超えた、深刻な疲弊状態なのです。
脳過労を予防・改善するために、日常生活に次のような工夫を取り入れてみましょう。
瞑想の一種であるマインドフルネスは、意識を「今、ここ」だけに集中させるメソッドです。瞑想というと難しそうに聞こえますが、マインドフルネスの実践方法はとてもシンプルです。
姿勢を正し、目を閉じて、深呼吸をしながら身体の感覚(五感)に意識を集中させます。頭に浮かぶ考えは、深追いせずに浮かんだそばから手放していく感覚で、頭を空っぽにしていきましょう。
これらの対策を取り入れることで、脳過労を予防し、心と身体の元気を維持することができます。無理なく小さな一歩から、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
出典/明治安田生命保険相互会社