Monthly Health Report (2024.05)

暮らしの栄養素メモ

アントシアニン

アントシアニンは、植物に含まれるポリフェノール(色素成分)の一種です。強力な抗酸化作用を持ち、目の健康維持や細胞のアンチエイジングに貢献します。

アントシアニンの働きと特徴

イチゴの赤やブルーベリーの青紫など、鮮やかな色の素となっている色素成分が、アントシアニンです。アントシアニンはポリフェノールの一種であり、その抗酸化作用の高さから、さまざまな健康効果が期待されています。

抗酸化作用とは、身体の細胞を活性酸素によるダメージから守り、酸化(老化)を防ぐ作用のこと。アントシアニンは、とくに目の細胞の健康を維持する効果が高く、眼精疲労の緩和や、視力の悪化予防、白内障・緑内障といった眼病の予防に活用されています。また、内臓脂肪の蓄積を抑える働きや、アレルギー症状の原因となるヒスタミンを減少させる働きもあるため、生活習慣病の予防や花粉症の症状緩和にも役立つとされています。

アントシアニンは水に溶けやすく、加熱に弱い性質を持っています。食事から効率的に摂取するためには、長時間の加熱を避けると良いでしょう。

アントシアニンの摂取目安量

厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、アントシアニンの摂取目安量についてはとくに定められていません。一般的には、40~90mg/日が適量と判断されることが多いです。体内に長期間留めておくことができないため、毎日こまめに摂取する必要があります。

アントシアニンを多く含む食品

アントシアニンを多く含む代表的な食品は、ブルーベリー、ブラックベリー、紫ぶどう(皮)、アサイー、カシス、ナス、赤キャベツ、たまねぎ、黒豆など。5月に旬を迎えるイチゴにも、アントシアニンが豊富です。濃い色をした皮の部分に含まれていることが多いので、皮ごと食べられる調理法やジャムなどを活用して上手に取り入れましょう。