ペクチンは果物や野菜に含まれる、天然の食物繊維の一種です。加熱によって硬度・粘度が変化する性質を活かし、ジャム作りなどに広く用いられています。
ペクチンは主に柑橘類やリンゴ、桃といった果物に豊富な食物繊維です。不溶性と水溶性、両方の性質を持つペクチンが存在しており、果実が未熟なうちは不溶性の食物繊維として細胞壁を形成し、果実が熟すにつれて水溶性に変化していきます。
食物繊維であるペクチンは、強力な整腸作用を持っています。とくに熟した柑橘類の果実・果皮に含まれる水溶性のペクチンは、お腹の中で水分を含んでゲル状になり、便秘や下痢の改善を促す効果が高いです。また余分な糖や脂質の吸収を抑えて、血中コレステロール値を下げる作用もあります。さらに血糖値の急上昇を防ぎ、糖尿病や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病のリスクを低減します。
ペクチンは加熱するとゲル状に固まる性質を持っています。具体的には、50~80℃に加熱すると硬くなり、80℃を超えると一転して柔らかくなります。この性質を活かして、さまざまな加工食品の製造現場で活躍しています。最もおなじみなのはジャムをゲル状にする用途ですが、他にも、乳酸飲料や黒酢飲料を飲みやすくしたり、パンの食感を良くしたりと、幅広く活用されている成分です。
厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、ペクチンの摂取基準量はとくに定められていません。食物繊維全体の摂取目標量としては、18歳以上の男性が20~21g/日、女性で17~18g(妊婦・授乳婦は18g)/日とされています。
ペクチンは、リンゴ、バナナ、いちご、柿、さくらんぼ、桃、柑橘類(レモン、みかん、オレンジなど)といった果物類、キャベツや新じゃがいも、大根、オクラといった野菜類などに豊富に含まれています。
出典/明治安田生命保険相互会社