Monthly Health Report (2024.08)

ゆるやかメンタルヘルス術

脱水を防いでメンタルアップ♪
オフィスでの水分補給のポイント

暑い日が続く日本の夏。気づかないうちに身体の水分が失われ、脱水症状に陥ってしまうことがあります。この脱水症状、じつはメンタルにも深刻な影響を及ぼすことがあるのです。今回は、脱水がメンタルに与える影響とその予防策について、分かりやすく解説します。

脱水症状のメカニズム

脱水症状とは、体内の水分が不足することで生じる、正常な生理機能が維持できなくなる状態のことです。人間の身体は、呼吸や発汗、排泄などにより常に一定量の水分を放出しています。排出される水分量が摂取する水分量を上回ると、脱水症状が起こります。

そもそも人間は、体内に非常に多くの水を含む生き物です。体内の水分量は、子どもで約70%、成人で約60%、高齢者で約50~55%もの割合を占めています。その水分は、血液の循環、栄養素の運搬、体温調節、老廃物の排出など、体内で生命維持に欠かせないさまざまな機能を支えています。

水分が不足すると、これらの機能が正常に働かなくなり、健康に大きな影響を与えます。具体的には、頭痛や吐き気、筋肉の痙攣、内臓機能の低下、熱中症の症状など。内臓機能の低下には「脳」の機能も含まれるため、脱水症状は精神面にも大きなダメージを与えます。

脱水とメンタルの関係

人体の中でも、脳はとくに多くの水分を含んでいる部位です。脳は、その約80%が水分で構成されていて、必要な酸素の運搬や、認知機能を左右するホルモンの分泌、神経伝達物質の機能維持など、多くの活動に水が関わっています。

水分が不足すると、これらの働きに不具合が生じ、脳機能は大きく阻害されます。その結果、記憶力や判断力、集中力などが低下してしまいます。

また、脱水は精神的な不安やストレスをも増大させます。水分が不足すると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやトリプトファン、必須アミノ酸などの生成に影響が及びます。

これらの物質は気分の安定や幸福感に深く寄与しているため、生成が不足すれば焦燥感やイライラ感、不眠、不安、といった症状が現れます。こうした状態が続けばうつ病を引き起こす可能性も高まるため、水分不足には注意が必要です。

こんな人はとくに要注意

メンタルの健康を保つ脱水対策

■1日2Lを目安に水分補給する
脱水を防ぐためには、充分な水分補給が必要です。1日合計で約2Lの水分補給を目安にしましょう。ただし、人間が一度に吸収できる水分量には限りがあるため、大量の水を一気飲みしても意味がありません。1回の補給量は約200mL(コップ1杯分)程度が最適です。
■適切な水分補給のタイミング
水分補給は定期的に、こまめに行うことも大切です。上記のとおり、一度にたくさん飲む必要はありません。それよりも、喉が乾く「前」に水を飲むよう心がけましょう。また、起床時、トイレの前後、運動の前後、入浴の前後、就寝前といったタイミングで、コップ1杯の水を飲む習慣をつけるのもおすすめです。
■アルコールやカフェインを控える
アルコールやカフェインには利尿作用があり、尿として水分が排出されやすくなります。お酒やコーヒー、紅茶、緑茶などは飲み過ぎに注意しましょう。自宅やオフィスでの日常的な水分補給には、普通の水か、ノンカフェインのハーブティーや麦茶が適しています。

ビジネスパーソンにおすすめの対策

とくに仕事が多忙な人は、つい水分補給を後回しにして脱水状態を引き起こしてしまうケースがあります。そこで、ビジネスパーソンにおすすめの脱水対策を紹介しましょう。

■涼しいオフィスでも水分補給を欠かさない
空調の効いた涼しいオフィスは、快適に感じる一方で空気が乾燥しやすく、皮膚を通じて体内の水分が奪われやすい環境でもあります。「涼しいから」と油断せず、オフィスでもこまめに水分を補給しましょう。
■1時間に1度、軽く身体を動かす
1時間ごとに休憩を取り、ストレッチなど軽く身体を動かしましょう。運動で血行を促進すると、体内の水分の循環が促進されて、脳にも酸素と栄養が行き渡ります。簡単なストレッチでも、充分な効果が期待できます。ランチタイムに短い散歩を取り入れるのも効果的です。新鮮な空気を吸いながら少し歩くと、心身ともにリフレッシュして仕事の効率を高めることができますよ。