ビオチンは、ビタミンB群に属する水溶性の栄養素です。補酵素としてエネルギーの生成を助け、皮膚や粘膜、爪や髪の健康に重要な役割を果たします。
水溶性ビタミンの一種であるビオチンは、別名ビタミンHとも呼ばれます。炭水化物・脂質・タンパク質の代謝に関わる補酵素として働き、身体を動かすエネルギーの産生をサポートします。
また抗炎症物質の生成にも関与し、アレルギー症状の軽減にも役立っています。皮膚や粘膜、髪、爪などの健康に欠かせない栄養素であり、ビオチンが不足すると、アトピー性皮膚炎や脱毛、爪の異常といった症状が現れやすくなります。
さらに、免疫機能の維持にも携わっており、ビオチンが欠乏することにより、リウマチやクローン病などの免疫関連疾患のリスクが高まるほか、糖尿病のリスクの増加、萎縮性舌炎、食欲不振、吐き気、憂うつ感などが引き起こされることもあります。
ビオチンは腸内細菌によって一部合成されますが、食事からの摂取も大切です。秋が旬のきのこ類に豊富なので、食卓に上手に取り入れていきましょう。
厚生労働省『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、18歳以上におけるビオチンの摂取目安量は、男女ともに50μg/日です。基準より多く摂取しても尿として排泄されるため、過剰摂取の心配はありません。
ビオチンを豊富に含む食材は、きのこ類(しいたけ、きくらげ、まいたけ、しめじ等)、肉類(とくに鶏・豚・牛のレバー)、ナッツ類(落花生、ヘーゼルナッツ、アーモンド等)、魚介類(かれい、いわし、ししゃも、タラ、あさり等)、鶏卵などです。ビオチンは熱に強い一方で水に溶け出しやすいため、スープやシチュー、煮物など、煮汁ごと食べられるような調理法を選ぶと良いでしょう。
出典/明治安田生命保険相互会社