「とんでもハップン」。このフレーズを久しぶりに聞いて、思わず笑ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。テンポのよさと語感の軽妙さが印象に残るこの言葉は、昭和を代表する流行語のひとつです。
これは、「とんでもない」+英語の「happen」を組み合わせた造語で、「ありえない、冗談じゃない」といった意味で使われました。また、“8分”という語呂をかけた「とんでも8分、歩いて10分」といったフレーズも人気を博し、テレビ番組やお茶の間、若者のあいだで流行していきました。
この言葉が誕生したのは、1950年ごろ。作家・獅子文六の小説『自由学校』に登場したことで世間に広まり、コメディアンなどに長く愛されていくことになります。当時の日本は、戦後復興の真っ只中。ラジオやテレビといった新たな娯楽メディアが一般家庭に普及し、人々は日常に活気と楽しさを取り戻そうとしていました。「とんでもハップン」の軽妙な語感は、そんな時代のムードにぴったりハマっていたのかもしれません。