Monthly Health Report (2025.09)
ゆるやかメンタルヘルス術
なんとなくの不調を「感謝」で癒やす
今日から始める「グラティチュード」
心が疲れていると、「なんで私ばっかり……」というマイナスの感情が湧き上がることもあります。そんなときこそ役に立つのが「グラティチュード(感謝の習慣)」です。今回は「グラティチュード」の意味やメリット、すぐ実践できる方法についてわかりやすく解説します。
「グラティチュード」とは?
「グラティチュード」とは、「感謝の気持ちを積極的に育て、表に出す習慣」のこと。いわば、心のなかに“ありがとうの引き出し”を増やしていく習慣のことです。
たとえば、「誰かが笑顔を見せてくれた」「優しい言葉をかけてもらった」など、日々の何気ないできごとに感謝する視点を持つことが、グラティチュードの習慣です。この習慣は、脳の報酬系を活性化させ、ストレスをやわらげ、前向きな気持ちを呼び起こすことが、心理学の研究でわかっています。
つまり、「感謝すること」は、単なるマナーや処世術にとどまらず、自分自身のメンタルを良好に保つセルフケアのひとつなのです。
「感謝の習慣」がもたらす5つのメリット
- (1)気分を安定させ、ストレスを軽減
- 感謝の気持ちを感じているとき、脳内ではセロトニンやオキシトシンといった脳内ホルモンが分泌されます。これらはリラックス効果や安心感をもたらし、ストレスを軽減します。
- (2)不安やうつの予防につながる
- 感謝する習慣は、うつ病の予防にも効果的です。日々の小さな喜びやサポートに目を向けることで、思考のバランスが整い、ネガティブな自己評価もやわらぎます。
- (3)睡眠の質を改善する
- 「夜に感謝日記をつけると寝つきが良くなる」という研究結果もあります。これは、脳が「今日のよかったこと」で満たされ、入眠時の不安や反芻思考(ぐるぐる思考)が軽減されるためです。
- (4)自己肯定感や人間関係を育てる
- 「誰かにしてもらったこと」に目を向ける習慣は、自分の存在価値を再確認することにもつながります。また、感謝を伝えることで相手との信頼関係も深まりやすくなります。
こんな人には「グラティチュード」がおすすめ
- □ なんとなく心がざわつく
- □ 小さなことでイライラしやすい
- □ 眠りが浅い、寝ても疲れが残る
- □ 自分のケアを後回しにしがち
- □ 人と会うのが少ししんどい
- □ 頑張っているのに、満たされない
- □ 誰かの成功を素直に喜べない
- □ モヤモヤが続いているけれど、理由がわからない
今日からできる「グラティチュード」実践術
- ■感謝を「書いて残す」習慣をつくる
- その日に起きた嬉しかったことを毎晩3つ、手帳や日記に書き出します。「ご飯がおいしかった」「店員さんの感じが良かった」など、小さな記録の積み重ねが感情の安定につながります。
- ■思考の言い換えで関係が変わる
- 「すみません」を「ありがとう」に言い換えることを意識しましょう。小さな言い換えですが、これが人間関係を穏やかにし、自分自身の受け止め方にも変化を与えます。
- ■「ありがとう」は具体的に伝える
- 「“作業を手伝ってくれて”ありがとう」など、具体的に伝えると相手の受け取り方が大きく変わります。相手の目を見る、笑顔を添えるといった非言語の要素も、信頼を深めるポイントです。
- ■「ある」に目を向ける習慣を持つ
- 「あって当たり前のもの」に気づく力は、感謝の出発点になります。蛇口をひねれば水が出る。夜道が明るい。電車が時間通りに来る。こうした日常の仕組みに目を向けてみましょう。
「グラティチュード」を取り入れる際のポイント
- ■「~すべき」を手放す
- 感謝が義務になると、かえって心の負担になることも……。「~すべき」を手放し、自分に合うスタイルを見つけることが長く続ける秘訣です。
- ■続かなくても自分を責めない
- 感謝をうまく伝えられない日があったら「今日はお休み」と捉えて、翌日からまたスタートすればOK。自分のペースでコツコツ続けていきましょう。
- ■小さなことに注目する
- 「感謝することがない」と思っても、日常の中には思いのほかたくさん、感謝の芽が隠れています。たとえば「雨がやんだ」「電車で座れた」など、小さな場面に目を向けてみてください。
- ■自分にも言葉をかけてあげる
- 人にばかり感謝を向けて、自分自身への労いを忘れてしまう人は多いもの。自分に向けて、「今日も頑張ったね」「よくここまでやってるよ」と、意識的に声をかけることも大切です。
出典/明治安田生命保険相互会社