Monthly Health Report (2025.10)

ゆるやかメンタルヘルス術

悩みを“成長の種”に変えるスイッチ
「リフレーミング思考」活用術

「うまくいかない」「批判された」……そう感じると、気持ちは落ち込みやすいもの。でも視点を少し変えるだけで、同じ出来事が全く違う意味を持ち始めるかもしれません。今回は、物事を前向きに捉えて成長の機会に変える「リフレーミング思考」の活用法を紹介します。

「リフレーミング思考」とは?

リフレーミング思考とは、1つの出来事を「別の角度から見直す」考え方のことです。たとえば、電車が遅れて予定に間に合わないとき、「ついていない」と思うか「おかげで休憩できた」と考えるかで、気分は大きく変わります。

この考え方は、「NLP(神経言語プログラミング)」という心理学の手法としても取り入れられています。NLPは「考え方や行動のパターンを変えると、その後の気持ちや行動も変わる(ネガティブな出来事も「役に立つ経験」へと変えられる)」とする心理学的アプローチで、リフレーミングはその土台となります。

リフレーミング思考のポイントは、現実をそのまま受け入れつつ、新しい意味を探す点です。たとえば、仕事のやり方について部下に意見されたとき、「反発された」と感じるのではなく、「積極的に意見を出してくれる貴重な存在」と捉え直せば、信頼関係がぐっと深まります。このように、同じ物事でも別の角度から見ると全く違って見えるものです。

「リフレーミング思考」のメリット

リフレーミングの効果の1つは、「気持ちを立て直す力がつくこと」です。たとえば営業で契約を逃してしまったときに、「自分は向いていない」と落ち込むのではなく、「次に成功するための改善点が明確になった」と考え直せば、失敗が成長の材料となり、気持ちも前向きになります。

また、「周囲との摩擦を減らせること」も重要なメリットです。たとえば、家族に家事のやり方を注意されたとき、「文句を言われた」と受け取ればケンカの火種になりますが、「より良い結果が得られるように教えてくれている」と捉えれば、協力関係が強まります。職場でも同じで、上司からの指摘を「批判」ではなく「期待の表れ」と見直すと、関係性が良好になります。

さらに、「自己肯定感が高まること」も見逃せません。たとえば「飽きっぽい性格」も、「新しいことに挑戦する力」と捉え直すと、短所が長所に変わり、自分に自信が持てるでしょう。

こんな人には「リフレーミング思考」がおすすめ

「リフレーミング思考」の2つの型

リフレーミングには、大きく分けて「状況」「内容」の2種類があります。

■状況のリフレーミング(場面や立場を変える)
  • 時間軸をずらす:今の失敗 → 未来の成長材料
  • 比較する:つらい経験 → もっと大変な状況よりは恵まれている
  • 視点を変える:自分目線 → 相手や第三者目線
  • 距離を置く:目の前の問題 → 人生全体で見れば小さな一部
■内容のリフレーミング(出来事の解釈を変える)
  • 言葉を置き換える:「失敗」→「学びのチャンス」
  • 短所を長所に変える:「飽きっぽい」→「挑戦好き」
  • 義務を欲求に変える:「やらなければ」→「やりたい」
  • ストーリー化する:「失敗続き」→「挑戦の物語が進行中」

日常生活で使える「リフレーミング思考」活用術

(1)落ち込みから立ち直りたいとき
失敗を経験に置き換える思考法(仕事でミス→「間違いやすい部分がわかった」)や、最悪と比較する思考法(電車が遅延→「運転休止でなくてラッキー」)がおすすめです。
(2)やる気・前向きさを取り戻したいとき
義務を願いに変える思考法(運動しなくては→「身体を動かしてスッキリしたい」)や、ストーリー化する思考法(難しい仕事→「自分が成長するステージが来た」)がおすすめです。
(3)解決策や新しい視点を見つけたいとき
問題を分解する思考法(面倒な資料作成→「まずは目次だけ作ろう」)や、if思考(「もし友人に起きたことなら、どうアドバイスする?」など)がおすすめです。
(4)人間関係の受け止め方を変えたいとき
言葉を置き換える思考法(優柔不断/口うるさい→「慎重で計画的/目配りがきく」)や、背景を想像する思考法(返事がそっけない→「忙しい中で対応してくれた」)がおすすめです。