Monthly Health Report (2023.01)

今知りたい 季節の健康コラム

冷えのぼせ

手足の先や下半身は氷のように冷たいのに、首や頭がカーッとのぼせて熱くなる……。そんな「冷えのぼせ」の症状に悩んでいませんか?冷えのぼせは冷え症の悪化によって起きると考えられており、身体の冷えに起因する血行不良、自律神経の失調などが原因です。不快感を伴うほてりや目眩、吐き気といった症状のほか、肩こり、頭痛、だるさや虚脱感、イライラ感や不安感など、さまざまな症状を引き起こします。

これらの症状は更年期の女性に起きるホットフラッシュとよく似ていますが、冷えのぼせは若い女性にも多く、また男性にも起こり得ます。「指先は冷たいのに顔だけ熱い」「明け方に汗びっしょりで目が覚める」「家事で少し動いただけで上半身が熱くなり、大量の汗が出る」といった状態に覚えがあるなら、それは冷えのぼせかもしれません。

冷えのぼせを改善するカギは、身体の冷えを防いで適度に温めることと、自律神経のバランスを整えることの2つです。ほてりを感じると、冷たい食べ物や飲み物が欲しくなるかもしれませんが、できるだけ常温もしくは温かい飲食物を選びましょう。のぼせへの対処は「頭寒足熱」が基本です。頭やおでこは冷やしても身体全体は冷やさない(温める)ことを意識しましょう。とくに足首やお腹、首の後ろは冷えやすいため、これらの部位を冷やさない工夫が必要です。また日頃から、入浴や運動などで血行を促進し、冷えを防ぎましょう。外出の際の服装は、汗で身体を冷やさないように脱ぎ着しやすい重ね着をしたり、首元に熱がこもるハイネックを避けたりするなど、快適でリラックスできる工夫がオススメです。

冷えのぼせは、対策をしてもすぐに効果が現れず、数年かけてゆっくり改善していく場合もあります。冬の時期はもちろん、夏場のエアコンによる冷えにも留意しつつ、じっくりと改善に取り組んでいきましょう。