Monthly Health Report (2023.06)

今知りたい 季節の健康コラム

湿気負け

空気が湿りがちな梅雨どきは、体調不良が生じやすくなります。四方を海に囲まれた日本は湿度が上昇しやすく、とくに梅雨の時期から夏にかけての平均湿度は80%前後になるケースも少なくありません。人間の身体は皮膚からの発汗で体温調節を行っていますが、空気中に水分が多い状態ではこの調節がうまくいかず、身体の中に熱が籠もってしまいます。こうした湿度の高さに由来する体調不良は、一般に「湿気負け」と呼ばれます。

湿気負けの主な症状は、身体の重だるさや疲労感、頭痛・頭重、めまい、むくみ、手足の冷え、食欲不振、軟便または下痢など。また関節に痛みや違和感を感じたり、オリモノに変調が見られたりすることもあります。毎年梅雨から夏場にかけてこうした不調を感じる人は、身体が水分を溜め込みやすくなっているのかもしれません。

予防・改善のためには、代謝を促進して身体から余分な水分を排出しましょう。ポイントとなるのは「食事」「運動」「入浴」の3つです。まず「食事」では、代謝を上げる食べ物や、血流や健康的な利尿を促す作用のある食べ物を選びましょう。具体的には、豆類や夏野菜(きゅうり、ゴーヤ、トマト等)、海藻(わかめ、もずく等)、香味野菜(生姜、ネギ、シソ等)がオススメです。また冷たい飲食物はできるだけ避け、ノンカフェインのお茶や白湯で充分な水分補給を行ってください。

「運動」も大切です。座りっぱなしの状態では尿意が起きづらく、水分も排出しづらくなります。軽く身体を動かすだけでも血行やリンパの流れが促進されますので、デスクワークをしている方はこまめに立ち上がってストレッチ等を行いましょう。さらに、1日の終わりの「入浴」タイムでは、40℃前後のぬるめのお湯にゆっくり浸かって身体を芯から温め、心地よく汗を流しましょう。