Monthly Health Report (2023.09)

ゆるやかメンタルヘルス術

幸せホルモン・セロトニンで元気な秋に♪
メンタルに効く「リズム運動」のススメ

自律神経が弱りやすい秋は、やる気の低下や不眠が気になる季節です。心がぐったりしがちなこの時期こそ、メンタルアップに効果的な「リズム運動」を試してみませんか? 今回は、運動が苦手な人も簡単にできるオススメの「リズム運動」と、効果的に行うコツを解説します。

秋の憂うつ……それ、セロトニン不足かも?

昔から、秋はメランコリックな気分になる季節として、数多の歌や物語に登場してきました。詩的な気分になるのはよいとしても、本格的に気分が落ち込んでしまったり、仕事に集中できなかったり……、心身ともに調子が上がらないのは困りものですよね。

こうした秋の憂うつは、セロトニン不足が原因かもしれません。セロトニンとは、トリプトファン(たんぱく質)を原料にヒトの脳内で生成され、気分や意欲に深く関わる神経伝達物質です。ストレスを緩和して気持ちを安定させてくれる働きを持ち、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。セロトニンの分泌は、太陽の光を浴びる(網膜で捉える)ことで促進されますが、日光を浴びる機会が少ないと分泌も減ってしまいます。日照時間が日に日に短くなっていく秋は、幸せホルモン・セロトニンが減少しやすい季節なのです。

「リズム運動」でセロトニン分泌を活性化

セロトニンの分泌を増やすためにオススメなのが、「リズム運動」です。セロトニンの分泌は、日光を浴びることのほか、咀嚼や歩行など一定のリズムで身体を動かす「リズム運動」を行うことでも活性化されます。

仕事中にガムを噛むだけでも分泌が活性化されるのですが、最もオススメなのは身体を動かすことです。適度な運動は、それ自体が自律神経を整えることに繋がります。また、朝~日中にかけて軽く身体を動かすことで、夜に寝付きをよくしてぐっすり眠る効果も期待できます。

「スポーツの秋」という言葉があるとおり、秋は1年のうちで最も運動を始めやすい季節です。デスクワークやテレワークで運動不足を感じている方は、この機会に気持ちよく身体を動かしてみませんか? 運動が苦手な方でも始めやすく続けやすい、簡単なリズム運動を3つご紹介しますので、気軽にチャレンジしてみてくださいね。

こんな人にはとくにオススメ

今日からできる♪オススメのリズム運動・3選

■ウォーキング
とくに朝、日光を浴びながらのウォーキングは、セロトニン分泌をダブルで活性化! 朝食前に15分ほど家の周りを散歩するだけでも大きな効果が見込めます。通勤中の1駅ウォーキングもよいですね。心の中で「いち、に、いち、に」とカウントしながらリズミカルに足を運びましょう。
■踏み台昇降
雨の日や外を歩く元気がない日には、室内でできる踏み台昇降がオススメです。身長に合わせて無理のない高さの踏み台(目安は10~15センチ程度)を用意して、やはり「いち、に、いち、に」とカウントしながらテンポよく昇り降りを繰り返しましょう。
■サイクリング
自転車をこぐ動作も、立派なリズム運動です。秋の心地よい風を吸い込みながら、新鮮な景色を目にすることは、心のリフレッシュにもなりそうですね。無理に遠くまで行く必要はありませんので、疲れすぎない範囲で楽しみましょう。

効果的に実践するポイント

(1)頑張りすぎず、楽しめる運動を
セロトニンは、ストレスを緩和するときに消費されるホルモンです。くたくたに疲れてしまうほど頑張ったり、苦手なことをイヤイヤしたりすると、かえって減少してしまいます。頑張りすぎず、「楽しいな」「気持ちいいな」と思える運動を行うのがセロトニン活性化のコツです。
(2)1回5分~30分程度がベスト
セロトニンの分泌は、リズム運動をスタートしてから5分後くらいに活性化し始め、20~30分後くらいにピークを迎えるといわれています。セロトニン分泌が目的のリズム運動は、5分~30分程度に収めるとよいでしょう。
(3)3か月継続で効果アップ
1回のリズム運動による分泌促進効果は数時間程度で消えてしまいますが、運動を継続していくと身体がセロトニンを作りやすい構造に変わっていきます。筋トレと同じで、継続が大切です。まずは3か月を目標に続けてみましょう。