Monthly Health Report (2023.10)

今知りたい 季節の健康コラム

巻き爪

足の爪に関するトラブルの代表格といえば、爪の端が必要以上に丸く変形し、周辺の皮膚を傷つけて腫れや痛みを生じさせる「巻き爪」。巻き爪は、一般的に秋から冬にかけて悪化しやすい傾向にあります。悪化の原因となるのは、主に「栄養不足」と「乾燥」の2つ。身体が冷えやすい秋から冬は全身の血流が悪くなり、末端の細い血管まで栄養が行き届きにくくなります。爪に必要な栄養分は血流に乗って届くため、冷えが気になる季節は爪も傷みやすいのです。また爪は乾燥によって脆くなるため、空気が乾燥しやすい季節は外からのダメージや圧力を受けて変形しやすくもなります。

足の爪はもともと内側に向けて巻きながら伸びていく性質を持っていますが、歩行により地面や指先から上方向への圧力が加わることで少しずつ外側に押し広げられ、ちょうどよいカーブを保っています。この「巻く力」と「広げる力」のバランスが何らかの原因で崩れると、巻き爪が生じやすくなります。バランスを崩す要因で多いものは、「正しくない爪の切り方(主に深爪)」「爪への圧迫(サイズの合わない靴やハイヒールなど)」「歩行姿勢(つま先に力がかからないペタペタ歩き)」「歩行不足」など。痛みや腫れを感じたら早めに対処しましょう。

巻き爪を予防・改善するためのポイントは、(1)爪を保湿する、(2)適度な運動で血流を促進させる、(3)栄養バランスのよい食事をとる(爪の生成にはカルシウム、たんぱく質、ビタミン、ミネラル等が必要です)、(4)爪の切り方を意識する(1mm程度爪を残して平らに切るスクエアカットがオススメです)、(5)足に合った靴を履く、など。

また歩くときは、かかとから着地してつま先でしっかり地面を蹴りましょう。巻き爪は悪化すると「陥入爪(皮膚が傷つくことで生じる炎症)」にも繋がるため、気になる場合は早めに医療機関を受診しましょう。