Monthly Health Report (2023.12)

今知りたい 季節の健康コラム

インフルエンザ

インフルエンザ(季節性インフルエンザ)は、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。風邪と間違われやすい病気ですが、両者は症状や流行時期に違いがあります。風邪は季節を問わず流行し、発熱、咳・くしゃみ、喉の痛みなど、主に局所的な症状が比較的ゆるやかに現れます。一方、インフルエンザの流行時期は冬~春にかけてが中心で、通常1~2月がピークとなります。また風邪と同様の症状に加え、38度以上の高熱、強い倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛といった全身症状が急激に現れます。

ほとんどは軽症のまま1週間ほどで回復しますが、中には肺炎や脳炎を併発し重症化してしまうケースもあります。とくに、高齢者、幼児、妊婦、呼吸器疾患や心疾患等の持病を持つ人は、重症化の危険性が高くなるため、流行期には人混みを避けるなどの注意が必要です。

インフルエンザの感染経路は、主に「飛沫感染」と「接触感染」の2種類です。飛沫感染では、感染者がくしゃみや咳をすることで唾液に含まれるウイルスが空気中に飛散し、周囲の人の鼻や口から感染します。また接触感染では、感染者がくしゃみや咳を押さえた手でドアノブや手すり、スイッチなどに触れ、その物体にウイルスが付着することにより、感染が広がります。

インフルエンザにかからないためには、こまめな手洗い・うがいや健康管理が大切です。外出時にはできるだけマスクを着用し、帰宅後や食事の前などこまめに石鹸で手を洗いましょう。また、バランスのよい食事と充分な睡眠を心がけ、免疫機能の低下を防ぎましょう。インフルエンザワクチンの予防接種も効果的です。ワクチンは発症のリスクを低減させ、もし発症しても重症化するのを防ぐ効果が期待できます。さらに、インフルエンザウイルスは低気温・低湿度の環境下で活性化しやすいため、室内の温度を18~20℃程度、湿度を50~60%程度に保ちましょう。