Monthly Health Report (2024.01)

今知りたい 季節の健康コラム

寒さと胃痛

寒さが厳しくなってくると、普段よりも胃痛に悩まされる機会が増えてきます。年末年始の暴飲暴食だけでなく、寒さそのものが原因で胃痛が引き起こされるケースもあるため注意が必要です。寒さ、つまり「冷え」が胃腸に及ぼす影響は多岐にわたります。まず、消化をコントロールしている自律神経は急激な寒暖差や冷えに弱く、寒い季節にはそのバランスが乱れやすくなります。自律神経が乱れると、胃腸の機能が低下したり、胃液の分泌が過剰に行われたりすることがあり、それが胃痛の原因となります。

身体が冷えることで冷たい血液が胃腸に流れ込み、胃腸の働きが低下して胃痛を引き起こすこともあります。胃腸は食べ物を消化する際に熱を生み出し身体を温めているのですが、この機能が低下することにより身体が冷え、身体が冷えるとまた胃腸の機能が低下する……という悪循環に陥ってしまうことも。胃腸の機能が低下すると、胃痛だけでなく疲れやすさ、便秘・下痢、肩こり、頭痛、不眠、食欲不振、やる気や集中力の低下といった症状も起きやすくなります。これらを防ぐためにも、寒さから胃腸を守るすべを知っておくことが大切です。

寒さによる胃痛の予防には、まず何よりも身体を冷やすことを避け、外側からも内側からもお腹を冷やさない生活を心がけましょう。寒さを感じたら我慢せず、エアコンやパネルヒーターといった暖房器具を適切に利用してください。とくに首や足元は冷やさないように注意しましょう。重ね着で温度調節したり、ブランケットやカイロを積極的に使用したりすることもオススメします。また内側からの温め対策として、栄養バランスのよい食事、適度な運動習慣も大切です。胃痛が起きてしまったときは、温かくて胃に優しい飲み物(白湯など)で身体を内側からも温めてあげましょう。また、ベルトなど身体を締め付けるものを緩め、リラックスした状態にするのも症状緩和に役立ちます。