Monthly Health Report (2024.03)

今知りたい 季節の健康コラム

春の不眠

ことわざで「春眠暁を覚えず」と言います。春になると日中眠くなりやすい経験は、多くの人がしていることでしょう。しかし、春の眠気の原因は、じつは夜の不眠にあるかもしれません。というのも、春は暖かく過ごしやすい季節であるとともに、多くの人が不眠に陥りやすい季節でもあるためです。

春に不眠が多いのは、この季節に自律神経がバランスを崩しやすくなるためです。春は気圧の変動や朝晩の寒暖差が激しく、自律神経が疲弊しやすい季節です。また、新しい職場や学校での緊張、生活環境の急激な変化など、新生活による心身へのストレスも不眠の原因となり得ます。さらに、花粉症も眠りに影響を与えます。鼻詰まりによる息苦しさで安眠が妨げられたり、薬の服用によって睡眠リズムに乱れが生じたりすることで、睡眠の質が低下してしまうこともあります。

春の不眠を予防・改善するために、まずは生活習慣の見直しを行い、自律神経のバランスを整えましょう。具体的には、毎日同じ時間に起床し就寝すること、栄養バランスの良い食事を3食同じ時間に摂ることを心がけてください。過度な飲酒や暴飲暴食を避け、日中は活発に活動し、夜はリラックスして過ごすことが効果的です。ただし急激な変化はかえってストレスに繋がるため、徐々に調整していきましょう。

就寝前のリラックスタイムにおすすめなのが、筋弛緩運動の実践です。布団の上に仰向けになった状態で、両手両足に思いきりぎゅっと力を込めて5秒キープします。その後、フーッとゆっくり息を吐きながら全身の力をゆるめ、5秒数えます。これを3~5回繰り返してみてください。筋弛緩運動は、緊張した筋肉をほぐし、身体も心もリラックスするのに役立ちます。

不眠が長期間続く場合は、医師など専門家の助言を求めることも大切です。春の不眠を上手に乗り越え、元気な日常を手に入れましょう。