Monthly Health Report (2024.04)

今知りたい 季節の健康コラム

腸内環境

季節の変わり目、私たちの身体と心は変化に適応しようと頑張りすぎてしまうことがあります。とくに4月は、生活にも気候にも大きな変化が訪れやすい季節です。この変化によるストレスが、腸内環境に思わぬ影響を及ぼすことがあります。

胃腸をはじめとする消化器官は、自律神経と密接に関係しています。新生活や気温・気圧の変化などにより心身にストレスがかかり、自律神経のバランスが乱れてしまうと、消化器官の働きも弱くなってしまうのです。「緊張するとお腹が痛くなる」「ストレスで下痢や便秘が起きる」といった現象が起きやすいのは、このためです。

一方で、腸内環境の乱れが脳や内臓の機能に悪影響を及ぼすことも、近年の研究で判明しています。また春に多い花粉症などのアレルギー症状も、腸内環境の向上によって改善するケースが多々あります。脳と腸は相関関係にあり、腸内環境を整えることが、心と身体の健康を高める良いスパイラルに繋がるのです。

腸内環境を整えるために意識したいのは、バランスの良い食生活と適度な運動です。食物繊維をはじめとするさまざまな栄養素をバランス良く摂取できる食事を心がけ、こまめに身体を動かすことで腸内のぜんどう運動を活性化させていきましょう。とくにリモートワークで外出機会が減っている人や、デスクワークで座りっぱなしが続きがちな人は、作業中も1時間ごとに立ち上がって屈伸やストレッチをするなど、筋肉を動かす習慣をおすすめします。

また、睡眠も重要です。腸は眠っている間に活発に動き、お腹に溜まった不要なもの(便)や毒素を体外に排出する準備を進めています。また、この時期ゆらぎやすいメンタルの健康維持にも、睡眠が欠かせません。夜はお風呂で「今日1日の良かった探し」をしながら身体を温めて、しっかり眠る生活リズムを心がけましょう。