Monthly Health Report (2024.05)

今知りたい 季節の健康コラム

耳鳴り

新緑が目を楽しませる5月。過ごしやすい気候に多くの人が活動的になるこの季節ですが、耳鳴りに悩まされやすい時期でもあります。外部からの音がないにもかかわらず、耳の中で音が聞こえる「耳鳴り」。春から初夏にかけて起きる耳鳴りには、季節や環境の変化に伴うものが少なくありません。

耳鳴りの原因は多岐にわたります。メニエール病や脳腫瘍、脳出血などの病気が潜んでいる場合もあれば、もっと身近な要因、たとえば気温や気圧の大きな変化、肩こり、疲労、ストレス等によって引き起こされる場合もあります。前者のケースは早急な治療が必要ですが、後者の場合は、日常に適切な対処を取り入れることでその影響を最小限に抑えることができます。

とくに日中の寒暖差や気圧の変化が激しい5月は、自律神経の乱れによる耳鳴りが起きやすくなります。「キーン」といった高音の耳鳴りや、「ブーン」といった低音の耳鳴りが気になり始めたら、生活習慣の見直しを。まずは充分な休息を心がけ、睡眠不足を改善しましょう。栄養バランスの良い食事とこまめなストレス発散で、自律神経にかかる負担をできるだけ和らげることも大切です。また適度な運動やストレッチ、耳まわりのマッサージなどで血行を促すことも、耳鳴りの改善に繋がります。ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聴く習慣がある方は、大きすぎる音量や長時間の使用を避けましょう。

耳鳴りは集中力の低下や睡眠障害、ストレスや不安の増大といった健康問題を招きます。放置することで難聴やうつ病へと進行してしまう可能性もありますので、改善が見られないときには早めに医療機関を受診しましょう。さらに注意したい点は、脳梗塞や脳出血の症状として耳鳴りが現れている場合もあること。「たかが耳鳴り」と油断せず、何か気になる症状が見られたときは必ず専門医の判断を仰ぎましょう。