Monthly Health Report (2025.07)

今知りたい 季節の健康コラム

手足口病

手足口病は、夏に流行しやすいウイルス性の感染症です。毎年6月から8月(とくに7月下旬)にかけて患者数が急増し、乳幼児が集団生活を送る保育園や幼稚園を中心に感染が広がります。子どもに多い病気ですが、看病をした大人にうつることもあります。

病気が夏に増えやすいのは、原因となるウイルス(コクサッキーウイルスやエンテロウイルス71など)が高温多湿の環境を好むためです。主な感染経路は、せきやくしゃみによる「飛沫感染」、皮膚やおもちゃを介した「接触感染」、(おむつ替えなど)便を介した「糞口感染」の3つで、発症までには3~5日ほどの潜伏期間があります。

主な症状としては、口の中や手足に水ぶくれや潰瘍が現れます。口の中の水ぶくれが強く痛み、食事がとれなくなるケースも少なくありません。また、大人が感染した場合は子どもに比べて重症化することが多く、全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛といったインフルエンザに似た症状が出る場合もあります。これらの症状は通常1週間以内に治まりますが、まれに髄膜炎や脳炎など重い合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。

手足口病の予防の基本は、こまめな手洗いです。ウイルスは唾液や便に含まれ、回復後も2~4週間は排出され続けるため、トイレ後やおむつ交換後には石けんでしっかり手を洗いましょう。また、家庭内であってもタオルや食器の共用を避け、子どもがよく触れるおもちゃやドアノブなどは、次亜塩素酸ナトリウム溶液でこまめに消毒しましょう。

手足口病には特効薬がないため、治療は対症療法が中心となります。発熱や痛みには市販の解熱鎮痛薬を使い、水分補給と食事ケアで体力を保ちます。口内炎がつらいときは、ゼリーやスープなど喉越しのよいものを選ぶのがおすすめです。