毎年のように「抱負が三日坊主で終わる」……そんなあなたは、自分の気持ちを後回しにしていないかを振り返ってみてください。「私」を大切にして、今年こそは抱負を叶える一年にしてみませんか? 今回は、心が整う「自分軸」のつくり方について分かりやすく解説します。
「自分軸」とは、日々の行動を選ぶときに「“私”はどうしたい?」という感覚を中心に置く姿勢です。心理学で「アイデンティティの確立」と呼ばれる状態に近く、心の安定や健全な人間関係にとって欠かせない土台となります。
私たちの脳には、周りの意見やその場の空気を読み取って合わせる仕組みが備わっているため、放っておくと他人の基準に引っ張られやすく、気づかないうちに心が消耗してしまいます。あなたが立てる「年始の抱負」がなかなか続かない理由も、実はここにあるかもしれません。「みんながやっているから」「期待されているから」といった外的な動機が行動の理由になっていると、迷いやすく、エネルギーも消耗しやすいのです。
自分の感情や心地よさを手がかりに選ぶと、行動に一貫性が生まれます。自分軸がある人は、習慣化に成功しやすいのです。自分軸は特別な才能ではなく、誰でも身につけられるスキルです。「私はどう感じている?」と問いかける習慣が、自分軸をつくる第一歩といえます。
自分軸が育つと、日々の選択が軽やかになります。無駄な迷いが減って優先すべきものが見えやすくなるため、行動のスピードも自然とアップしていきます。脳のエネルギーは「迷い」が多いほど消耗しやすく、判断基準が明確になると疲れにくくなるためです。
また、自分の本音を丁寧に扱う習慣は、他者とのコミュニケーションの質も高めます。「私はこう感じます」と伝えることができると、相手も反応を返しやすくなり、衝突ではなく対話が生まれやすくなるのです。相手に合わせすぎる癖がなくなると、お互いの心の負担も大きく減ります。
さらに、自分軸はストレス管理にも有効です。自分をないがしろにすると、興奮を司る交感神経が優位になり続け、心身がずっと緊張した状態になります。自分のペースを尊重する行動が増えると、リラックスを促す副交感神経が働きやすくなり、落ち着いた状態を維持しやすくなるのです。
自分軸を育てる最大のコツは、「完璧にやろう」としないことです。小さな選択をする際に、丁寧に自分と向き合い、自分を尊重する経験を積み重ねることで、心の軸が安定していきます。「良い人でいなきゃ」という思い込みも他人軸につながりやすいため、「断る」「離れる」選択も自分軸の一部として受け止めましょう。
また、価値観は固定ではないため、月に一度は日記やメモを見返し、今の自分に合う選択を模索してみてください。自分軸は、揺れて当然です。ブレを責めず、「私はどう感じている?」に戻る練習を続けましょう。どうしても迷うときは、信頼できる人に話を聞いてもらうのも一手です。その際は、アドバイスを求めることよりも自分の内面を言葉にすることを意識してみてくださいね。
出典/明治安田生命保険相互会社