Monthly Health Report (2026.01)

ゆるやかメンタルヘルス術

今年こそ、私のリズムで生きる♪
目標を叶える「自分軸」のつくり方

毎年のように「抱負が三日坊主で終わる」……そんなあなたは、自分の気持ちを後回しにしていないかを振り返ってみてください。「私」を大切にして、今年こそは抱負を叶える一年にしてみませんか? 今回は、心が整う「自分軸」のつくり方について分かりやすく解説します。

日常で使える「自分軸」という考え方

「自分軸」とは、日々の行動を選ぶときに「“私”はどうしたい?」という感覚を中心に置く姿勢です。心理学で「アイデンティティの確立」と呼ばれる状態に近く、心の安定や健全な人間関係にとって欠かせない土台となります。

私たちの脳には、周りの意見やその場の空気を読み取って合わせる仕組みが備わっているため、放っておくと他人の基準に引っ張られやすく、気づかないうちに心が消耗してしまいます。あなたが立てる「年始の抱負」がなかなか続かない理由も、実はここにあるかもしれません。「みんながやっているから」「期待されているから」といった外的な動機が行動の理由になっていると、迷いやすく、エネルギーも消耗しやすいのです。

自分の感情や心地よさを手がかりに選ぶと、行動に一貫性が生まれます。自分軸がある人は、習慣化に成功しやすいのです。自分軸は特別な才能ではなく、誰でも身につけられるスキルです。「私はどう感じている?」と問いかける習慣が、自分軸をつくる第一歩といえます。

「自分軸」をつくるメリット

自分軸が育つと、日々の選択が軽やかになります。無駄な迷いが減って優先すべきものが見えやすくなるため、行動のスピードも自然とアップしていきます。脳のエネルギーは「迷い」が多いほど消耗しやすく、判断基準が明確になると疲れにくくなるためです。

また、自分の本音を丁寧に扱う習慣は、他者とのコミュニケーションの質も高めます。「私はこう感じます」と伝えることができると、相手も反応を返しやすくなり、衝突ではなく対話が生まれやすくなるのです。相手に合わせすぎる癖がなくなると、お互いの心の負担も大きく減ります。

さらに、自分軸はストレス管理にも有効です。自分をないがしろにすると、興奮を司る交感神経が優位になり続け、心身がずっと緊張した状態になります。自分のペースを尊重する行動が増えると、リラックスを促す副交感神経が働きやすくなり、落ち着いた状態を維持しやすくなるのです。

「自分軸」はこんな人に役立ちます

「自分軸」をつくる4つのメソッド

(1)今日の優先事項を一つ決める
まずは毎朝、自分に「今日は何を大事にしたい?」と問いかけることから始めましょう。心理学では、こうした「自分で選ぶ」行為が自己決定感・自己効力感を高め、迷いによる心の消耗を減らすとされています。主導権を「自分」に戻す習慣がつくと、納得して行動できるようになります。
(2)目標を「行動」に落とし込む
抱負や目標を立てるときは、「どんな行動をするか」まで決めておきましょう。たとえば、「もっと健康になる」→「週3回散歩する」のように、行動レベルに落とし込むことで習慣を続けやすくなります。
(3)他人の意見は参考にとどめる
他人の言葉は、自分軸で選択するための材料の一つとして受けとめ、最終判断は自分で行うことが大切です。自分と他人の意見を同一視せず、きちんと境界線を引いた上で「必要な部分だけを取り入れる」という意識を持つと、選択がブレにくくなります。
(4)夜の「三行日記」で心の動きを記録する
「嬉しい」「疲れた」「モヤッとした」「ハッとした」など、1日のなかで心が大きく動いた瞬間を3つ書き留め、「なぜそう感じたのか」を一言添えます。これを月に一度くらいのペースで見返すと、安心できる場面やストレスの傾向が分かり、自分の価値観のパターンが掴めます。

スムーズに続けるためのコツ

自分軸を育てる最大のコツは、「完璧にやろう」としないことです。小さな選択をする際に、丁寧に自分と向き合い、自分を尊重する経験を積み重ねることで、心の軸が安定していきます。「良い人でいなきゃ」という思い込みも他人軸につながりやすいため、「断る」「離れる」選択も自分軸の一部として受け止めましょう。

また、価値観は固定ではないため、月に一度は日記やメモを見返し、今の自分に合う選択を模索してみてください。自分軸は、揺れて当然です。ブレを責めず、「私はどう感じている?」に戻る練習を続けましょう。どうしても迷うときは、信頼できる人に話を聞いてもらうのも一手です。その際は、アドバイスを求めることよりも自分の内面を言葉にすることを意識してみてくださいね。